ザ・サウザンド キョウト

VOICE　お客さまの声

千年の都「京都」の知恵や美学から、 訪れるゲスト個々にゆとりや心地よさを提供するホテル、ザ・サウザンド キョウトの総支配人櫻井さんにお話を伺いました。

―まずは、ホテルのコンセプトを教えてください。
「ザ・サウザンド キョウトのコンセプトは、「京都の豊かな知恵に触れる パーソナル･コンフォート･ホテル」。人と広く簡単につながることができるソーシャルな時代だからこそ、一人ひとりのパーソナルな快適さを追求した場所をお届けしたいという思いを込めています。建築は「コンフォート・ミニマリズム」をコンセプトに、禅の思想のようなシンプルで洗練された引き算のデザインをベースにしています。
パーソナルやミニマルを追及している中、どのようにおもてなしを表現するかを考えたときに、サービスも京都に受け継がれるお茶屋のような見せない心遣いを大切にすることにしました。ふとしたときに私たちのサービスに込めた心遣いに気付いていただけたら嬉しいです。」

―印象的なロゴマークについて教えてください。
「無限大(∞)より円がひとつ多いロゴマークは、ホテル名にもなっている「1000」を表すと同時に、無限大の心地よいサービスを追求していく、という意志を表現しています。ロゴマークの左側に人が一人立つと「1000」になります。スタッフそれぞれの心配りがあってこそ、ザ・サウザンド キョウトのおもてなしは成り立つとスタッフには伝えています。」

―アロマ導入の背景を教えてください。
「最初から絶対に導入すると決めていました。不思議なもので人って空間が変わる瞬間、例えば窓や扉を開けただけでも無意識に息を吸いますよね。それが違う空間に踏み行くホテルなら尚更です。エントランスで沢山空気を吸い込んでいただけるので、香りからもおもてなしを感じていただけているのではないでしょうか。チェックイン後にも香りを感じていただけるようにフロントでの設置場所を工夫しています。見せない心遣いを大切にしている中で、目に見えない香りはかなり力になってくれています。」

ザ・サウザンド キョウトのオリジナルアロマは、「ネイチャー＆メディテーション」をテーマとした、ヒノキやサイプレス、ベルガモットなどがブレンドされた心落ち着く木質系の香りです。京都の寺社仏閣を訪れたときの、凛とした感覚の中、深呼吸し穏やかな気持ちになれる、優しい印象があります。

―オリジナルアロマの評価はいかがですか。
「建物の素材が石や木、カラーが黒やグレーと硬さのある印象なので、どちらかというと優しさや柔らかさを感じていただきたい。また、甘くなりすぎないように、爽やかで印象的な香りになるようにリクエストさせていただきました。
他の施設で、演出の香りがよくても内装や雰囲気と合っておらず、違和感を感じたことがありました。インテリアに木を多くあしらっているので、香りも木を感じられる木質系で、というように、目に入る景色と広がっている香りに違和感がなく自然に受け入れられるという空間づくりが大切だと思っています。」

館内では、オリジナルアロマとは別の香りを演出している空間もあります。非日常の空間であるウェディングサロンと近くのエレベーターホールでは、華やかさを感じていただくために、フローラル調の香りを演出。訪れる人の想いや目的によって香りを使い分けていただいています。

―オリジナルアロマの反響やグッズの販売状況はいかがですか。
「お客様からも大変好評をいただいております。質問をいただくことも増えました。 また、オリジナルアロマは、ホテルフロント、オンラインショップで販売しています。客室で体感したアイテムをご購入いただけるように、アロマオイル以外にも、茶器やボディクリームを取り扱っています。アロマオイルは反応がとてもいいです。ご自身が滞在中に癒されたから、とお土産としてご購入される粋な方もいらっしゃいます。香りは、癒しが必要な今の時代にぴったりだなと感じます。
アロマオイルのパッケージデザインには、「天龍寺の鯉」のモチーフアートをあしらっています。実は220ある客室全て違うアートが飾られています。抽象画のようですが、京都にまつわるモチーフを時間の経過を織り込みつつ、スローシャッターで撮影した写真となっています。 」

南禅寺の和傘や伏見稲荷の鳥居などの客室アートに留まらず、館内全体にアートが散りばめられているザ・サウザンド キョウト。自然の揺らぎやうつろいを感じるゆるやかな気持ち、まさに“パーソナルコンフォート”を生みだします。
個々の時間を心地よく癒す香りは、決してこれみよがしではない見せない心づかいの要素の一つとなっています。
（2021/9 取材）